航空祭に行ってきた

 うちの近所に自衛隊の基地がある。海上自衛隊のもので,訓練用の基地らしい。毎年市民を招いて基地祭をやっているようで,こないだの日曜に初めて行ってみた。
 駐車場に余裕がないそうなので,駅前から送迎バスに乗る。駅前では,若い兵隊さんがバス停への道順を教えてくれた。真っ白な制服・制帽で,一目でそれとわかる。
 今までも基地の傍を車で通ることはあったが,フェンスの中に入ると,やはりとても広い。着いたのは10時過ぎだったが,駐車スペースはまだまだ開いていた。今度また来るときは車でよさそうだ。出店もいっぱい出ている。飛行機の格納庫の前には,飛行機がたくさん置いてあって,人だかりができている。滑走路(誘導路?)に面してロープが張られていて,すでに沢山の人が陣取っている。客層は,家族連れと航空ファンに二極化している*1感じ。うちは前者。後者の白レンズにはかなわないけど,一眼レフと望遠レンズは一応持ってきた。
 そのうち展示飛行が始まる。YS-11Tが4機と,P-3Cが4機,きれいな編隊飛行を見せてくれる。これが基地祭のメインイベントかな。

●YS-11T

 YS-11は昔プロジェクトXでもやっていた,戦後初の国産旅客機。学生時代に種子島に行くときに乗ったことがあるが,旅客機としては国内でもう飛んでいない。この基地が持っているのは,それを自衛隊員の訓練用に改装したYS-11Tという機種らしい。Tはトレーニング。エンジンが2つある。P-3Cの方はエンジン4つ。

P-3C

 P-3Cは日本の主力哨戒機*2で,領海内に不審な船舶が来ないか監視する飛行機だ。ソノブイという使い捨ての音響探知機をたくさん海へ投下して,潜水艦の位置を特定し,魚雷攻撃で撃滅することができると説明パネルに書いてあった。「撃滅」ってなんかすごい言葉。左翼用語では「殲滅」って言ったっけ。

 その次はヘリコプターから落下傘降下の実演。習志野から来たそうな。何人もの空挺隊員が次々にヘリから飛び降りる。全員ピシッと同じ姿勢できれいに降りてくるので,初めは荷物か人形かと思ってしまった。遠目で着地の瞬間も見えたが,衝撃が結構ありそう。
 娘たち*3が飽き気味だったので,露店エリアに移動して買い食いする。食いしん坊の娘たちは大喜び。そのあとは,YS-11Tの内部を見学して,子供が乗れるという花電車乗り場へ移動。でも残念ながら花電車は受付終了していた。仕方なく,子供をなだめながら他の展示を見たり,再び買い食いしたり。

 最後に,バイクを改造した隊員手作りの3機のミニP-3C*4によるデモンストレーションを見物。3隻からなる敵艦隊(偵察艇,指揮艦艇,潜水艦。黒い)が日本の領海を我が物顔で遊弋していたところ,偵察艇がP-3Cが敷設した機雷に触雷。残った敵艦にP-3Cが発見され,ミサイル攻撃を受ける。P-3Cチャフとフレアでこれをかわし,魚雷とミサイルで返り討ちにするというストーリー。なんだかタイムリーな感じ。アナウンスの女性隊員の声も威勢がよくて盛り上がる。上は敵艦隊をやっつけた後の写真。
 ミリメシなる非常食を買って帰宅。一日なかなか楽しめた。トイレの個室や格納庫のカベに,飲酒運転や薬物使用を戒めるポスターが掲げてあるなど,隊員の日常が垣間見えたのも収穫。そのなかでも,「飲んだら,載った*5…」という標語?が面白かった。

*1:客層に応じて基地から住まいまでの距離も二極化してるのかも。

*2:「対潜哨戒機」だと思っていたら,潜水艦以外にも対応するので単に「哨戒機」というらしい。

*3:保育園児

*4:デフォルメされたかわいい形で,子供をのせた撮影会もできる。

*5:もちろん新聞に