3月の読書メモ(歴史・人物)
・歴史
- 作者: 桐生操
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/01
- メディア: 単行本
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フランスの王って王妃の他に公式寵姫がいて,それは普通に人妻だったりするのは有名な話。夫はその代わりに領地や爵位をもらえるので,まんざらでもないみたい。当時,正式な結婚は政略結婚だったので,かわいそうなのは王妃。王妃ではないが,この時期に恋愛結婚したというマリア・テレジアはほんとにすごい!その上,マリア・テレジアは,16人も子供を産んですごい。当時のことだから,夭折しちゃう子も多いが。娘を駒のように方々へ嫁がしたのは冷酷無情。それでも眼にかけた娘がいたのはやっぱり人間だもの。えこひいきはよくないけど。
寵愛を失った寵姫の末路は悲しい。自分が追い落とした年増の寵姫と同じ運命をたどる。ルイ十四世の寵姫,モンテスパン侯爵夫人。ルイ十五世の寵姫,ポンパドゥール侯爵夫人。王妃一筋(?)だったルイ十六世はやはり異色。
西洋も怖いが,後宮の怖さでは東洋も負けてない。劉邦の古女房の呂后,唐を一時中断させた則天武后,清の西太后。でもこれはちょっと怖さの種類がちがうかも。あんまり色っぽくないのはやはり東西の文化の違いかね。加藤徹さんの新書「西太后」はとても良い評伝だった。
- 作者: 有馬哲夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/12/17
- メディア: 単行本
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旧軍の幹部には,占領軍にとって利用価値が高い者もいた。彼らはその知識・人脈を買われ,合法・非合法の情報活動・工作に従事する。もちろん過去の戦争犯罪は見逃された。辻政信なんかは,部下が戦犯として処刑されているのに…。
温存された軍閥は,占領当初,武装解除と治安維持を円滑に行うために用いられる。逆コースに入ってからは,対ソ連のインテリジェンスや,台湾の国民党を軍事的に支援(日本義勇軍を組織)するなど,彼らの存在は欠かせなかった。彼らはいくつもの機関をつくって,GHQから予算をもらい,情報・工作活動をする。元軍幹部のこと,もちろん面従腹背で,情報をすべて渡したり,経費を正直に申告したりはしない。余った資金をプールするなどして,独自に策動する余地も残している。独立を見込んで,国防軍の創設に意欲を燃やした者たちもいた。そして占領が終り,公職追放されていた彼らも追放解除となる。辻などは,有権者に軍隊時代の部下が多く,国会議員に選ばれて国防族として活動。
読んで思ったのは,やっぱり歴史って連綿と繋がっていて,社会が激変することはあるけれど,決して前後で分断されることはなく,あときれいごとで物事は進んでいかないよなってこと。学校で歴史を習ったときは,そんなことは気付かなかった。無味乾燥だった。
・人物
- 作者: 高瀬正仁
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/12/18
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ヒルベルトは二次大戦中に死んでるけど。長く病んで,最後の洋行で訪った高木は,それでも知識を追求する姿に涙を禁じえなかったそうだ。高木が女流数学者のネーターとも親しかったとは知らなかった。ネーターは,対称性と保存量の関係に関する定理で有名。むしろ物理学の分野で,空間対称性から運動量保存が導かれたり,時間対称性からエネルギー保存が導かれたりするのを説明できる。これを知ったときは目から鱗だった。
高木の著作はこの元旦に著作権が切れたが,『解析概論』はまだ教科書として現役。
- 作者: 平野暁臣
- 出版社/メーカー: PHP研究所
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近美で岡本太郎展がやっているらしい。家族で行こうかなと思案中。太郎は「こどもが彫刻に乗りたいといったら乗せてやれ。それでモゲたらオレがまたつけてやる。」と言う人だったらしいがホントに乗れるのか?まさかね。
- 作者: 城山三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1976/05/30
- メディア: 文庫
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